今回紹介するのはプレミアムバンダイより発売されたガンプラ、HGAC ガンダムジェミナス01です。
ガンダムジェミナス01は1997年にバンダイから立案されたプラモデル企画『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』に登場するMSです。
この企画はTVアニメ、『機動新世紀ガンダムX』の放映時間短縮に対するフォローとして企画された背景を持ちます。当時、講談社より発刊されていた小学生向け月刊誌『コミックボンボン』にて、ときた洸一氏の漫画が連載されました。高年齢向けにホビージャパンの漫画雑誌『コミックジャパン』でも連載予定でしたが、創刊号のみで2号目以降は発刊されませんでした。
2000年に発売されたPSソフト「SDガンダム GジェネレーションF」にも登場しましたが、他作品に比べると知名度はやや低い印象でした。時が流れ2019年になり、ガンダムエースにて『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』が連載開始したことでで再度注目されるようになりました。
ガンダムジェミナス01とは
ガンダムジェミナス01とは資源衛星都市MO-Vにて開発された試作型ガンダムタイプMSです。
汎用性を重視した設計となっており、機体各部にオプションパーツを装着することができる換装機構「リニアロック・ボルト」を設けることで様々な環境に適応することができます。
このコンセプトで開発された機種を”G-UNIT”と呼び、G-UNIT同士は装備の互換性を有していることが特徴です。このG-UNITシリーズ1号機がこのガンダムジェミナス01になります。
換装機構以外の特徴としてPXシステムと呼ばれる機体速度を高めるシステムが搭載されているほか、オーバードライモードと呼ばれるいわゆるリミッター解除機能も搭載しています。
キットについて
浅いヒケが各部に見られますが、ゲート跡を処理する際のペーパー掛けで大分消えます。
胸部及び上腕の青いパーツ、肩、脛、ビームライフルに合わせ目が出るので、気になる人は処理が必要です。なお、頭部の合わせ目はパッケージを見る限り、残すのが正解のようです。
色分けについてはまずまずといったところでしょうか。付属のシールを用いても再現しきれない箇所があります。
顔はカメラアイの部分、バーニアノズルはふくらはぎの白、黄色部の黒、胸部中央のグリーン、リニアロックボルトと思われる肩の丸いグレーはホイルシールで再現することになります。今回の製作にあたりセンサー部のグリーンはハイキューパーツのミラージュデカールに置き換えました。
塗装はグレーサフに黒を混ぜたものを下地にしました。グレーの塗装指示にある”RLM75グレーバイオレット”は聞きなれない色かもしれませんが、Mr.カラー 37番がそのまま使用できます。
胸部のグリーンは説明書に配色の記載がありません。説明書のサンプルがメタリックカラーを使用しているように見えたため、Mr.カラー 77番 メタリックグリーンを使用しました。
上腕部と脛の足首の前後2か所(ボルトと蛇腹部)は色分けやシールなどのフォローがないため、気になる方は細部塗装を行う必要があります。太ももや他の部分にもボルト状のモールドが確認できますが、パッケージなどの作例では塗装されているようには見えないのでそのままとしています。
肘関節は肘の装甲を中央に独立させた2重構造になっています。
膝も2重関節を採用しています。肘、膝共に可動範囲はまずまずといった印象です。
旧キットではグレー一色だったビームライフルとシールドですが、プレミアムバンダイ版では色分けにて再現されるようになりました。
ビームサーベルはクリアピンク成型の刃が2本付属します。バックパックへ取り付けるための穴が片側に空いているため目立つほか、バックパックから取り外す際は接続部のピンが折れないよう気を遣う必要があります。
総評
旧キットに比べ手足が長くなりスタイリッシュになりました。資料が少ないので合わせ目や塗分けで悩むポイントが少々ありましたが、出来は安定のバンダイクオリティです。
可動範囲はそれほど広くないので、この点に違和感を覚える人はいるかもしれません。欲を言えば付属のテトロンシールだと厚みがあるため「G-UNIT」シリーズ共通アイテムとしてデカールを発売してほしいところです。
メディアへの露出機会に恵まれなかったシリーズだけにプレミアムバンダイでの発売は嬉しかったですね。マスターグレードのガンダムF90同様にユニットの換装をセールスポイントとした商品展開が予想されますが、ガンダムグリープやハイドラガンダムは出るのでしょうか。続報を楽しみにしたいと思います。