【コラム】スミ入れ

プラモデルの表面に刻まれている凹線をモールドと呼びます。このモールドや段差となるような箇所に暗い色を置き、強調させることで情報量や密度感が増し、リアルな仕上がりとなります。この作業をスミ入れといいます。

ガンプラなどのキャラクターもののほかに航空機も各所にモールドが彫られており、スミ入れを行なうと印象が大きく変わるため抑えておきたいスキルです。

スミ入れは主に2通りの方法があります。ペンによる書き込みと、エナメル塗料による流し込みです。この記事ではこの2通りの方法についてご紹介します。

ペンによるスミ入れ

スミいれ用のガンダムマーカーがよく知られている方法です。

無塗装のガンプラなどであれば、このペンでモールドをなぞった後に消しゴムではみ出た部分を消す方法です。

ガンプラを無塗装で合わせ目を消さずに組む場合でも、このペンを使うだけで出来栄えが変わってくるため、手軽に行なえる反面、塗装した面の上からだと塗料が定着してしまい、消しゴムで消すことができない弱点があります。

スミ入れを行なうペンはガンダムマーカーである必要はありません。目立たない箇所のスミ入れであればボールペンやほかのマーカーなどで行なう事もあります。

シャープペンシルであれば塗装した面の上からでもスミ入れは可能です。0.3mmのペンを一つ持っておくと何かと便利です。

エナメル塗料による流し込み

エナメル塗料はラッカー塗料の塗装への影響が少ないため、スミ入れに適しています。

しかし、影響が全くないわけではありません。流し込みに使うエナメル塗料は非常にサラサラしており、どんな隙間にも入り込んでいきます。目に見えないような小さなヒビからパーツを侵食して割ることもあります。

表面上問題がなさそうに見えてもあまりスミ入れをやりすぎると徐々にパーツが脆くなり、破損につながるため強度的に問題がないか事前に検討しましょう。
また、強度的に問題のない箇所でも表面のざらついている場合、エナメル塗料が滲んでしまうため、スミ入れ前の下準備としてあらかじめ光沢のクリアコートを施すなどして塗膜の保護を行ないましょう。

エナメル塗料によるスミ入れで使用する物はエナメル塗料、エナメル溶剤、塗料皿、筆です。塗料と溶剤の混合の際、スポイトなどがあると便利です。

具体的な手順としては以下の通りです。

1.塗料皿でエナメル塗料を溶剤と混ぜてサラサラにします。

2. 筆に含ませて流し込みたいモールドの上に点で筆を置いてやると塗料がモールドに沿って流れていきます。

3. 乾燥後にエナメル溶剤を含んだ綿棒などではみ出た個所を拭い取れば完了です。

スミ入れの色

スミ入れとして使用する塗料の色は基本的に表面より一段暗い色を使います。

画一的に黒のみでスミ入れをするとハッキリしすぎておもちゃ感があるため、白にはグレー、赤には濃い茶色を使うことがセオリーとされており、スミ入れに黒を使うのは暗い青やグレーなどの場合です。

しかし、アクセントとして入れる場合はハッキリと黒でスミ入れをする場合もありますし、全体が黒色のキットをあえて白でスミ入れするのも面白い表現です。全体の色使いのバランスを見てスミ入れの色を決めていきましょう。