今回はスケールモデル、特に戦闘機の模型について触れてみたいと思います。
このブログでもいくつかの戦闘機の模型を紹介していますが、製作中に「難しいな」と感じたキットもあれば、ハードルを感じることなく短時間で完成まで漕ぎ着けたキットもあります。こうした経験を基に初心者の方にキットを選ぶポイントや心掛けていることをまとめてみようと思います。
製作のハードル
ほとんどのスケールモデルはランナーの色が単一の成型色です。
これはガンプラなどのキャラクターモデルと違い塗装を前提としており、色分けなどが施されていないためです。
また、キャラクターモデルのように部品同士をダボでつなぎとめることはなく、各部品を接着剤を用いて接着する必要があります。
ガンプラのように接続ピンを設けてほしいという意見も目にすることがありますが、ピンとダボ穴の正確さやクリアランスなどはおそらくバンダイ独自のノウハウが詰まっているため、他メーカーは簡単にマネすることは難しいと思われます。
このように「ニッパー1つで完成」とはいかず、最低でもニッパー、ヤスリ、接着剤、塗料と塗装道具を用意する必要があることがハードルを高くする要因になっていると思います。
しかし、ガンプラも合わせ目の処理をしようとすると接着剤やヤスリの類は入手することになるため、これから模型趣味をはじめようと考えている方はある程度のツールをまとめて購入しても良いと思います。
モールド
モールドとはキットのパネルラインを指します。古いキットではこのパネルラインが浮き出た凸線となっており、近年発売のキットでは凹線となっています。スジボリとも言いますね。
パネルラインは実際に浮き出ているわけではないことと、モールドを強調するためのスミ入れを行えることから、全体的に凹モールドのキットが好まれる傾向にあり、私自身も凹モールドのものを選んでいます。
この凹モールドですが、彫り込みが浅いことも多々あります。特に古くから再販を重ねて金型が古いキットでは顕著です。彫り込みが浅いとスミ入れの塗料がモールドに流れ込んでくれないことがあるため、その際はケガキ針やエッチングソーなどでスジボリを彫り直しましょう。
結論としてはスミ入れを行わないのであれば、どちらのモールドでも構いません。スミ入れも視野に入れているのであれば凹モールドのキットをオススメします。
メーカー
戦闘機のスケールモデルと言えば、ハセガワとタミヤが有名ですが、フジミやプラッツなど他の模型メーカーも魅力的な製品を多く発売しています。
近年では中国メーカーの躍進が目覚ましくモンモデル、ホビーボス、ドラゴンキットなどは内部構造を精密に再現したりエッチングパーツや豊富な武装類がキットに同梱されている豪華なキットも多く登場するようになりました。韓国のアカデミーも年々クオリティを高めており、1/72スケールのF-8EやA-10、F/A-18Cなどは国内メーカーの同スケール品以上の出来になっています。
こうした海外製品は離型剤が強く残っており、組み立て前の洗浄作業は必須です。また時折説明書の指示が誤っていたり、パーツ同士の合いの悪さが国内メーカー以上に強くあることもあります。こうしたリスクに対処できる能力が求められますが、国内メーカーにはない商品展開が魅力と言えます。
国内製品でも癖のあるキットは存在するため、「とりあえずパッと作ってみたい」という場合はタミヤ、ハセガワが無難です。
結局何を買うべきか
国内メーカーより発売されている自分の好きな機体を買うのが、モチベーションの面で一番だと思います。
日本の代表的な戦闘機である零戦は色々な国内メーカーより各スケールサイズ(1/144,1/72,1/48,1/32など)にて商品展開がされています。
いずれも出来は良いのですが、キャノピー(操縦席の窓)のマスキングが面倒なので、いきなりは辛いかもしれません。可能であればサードパーティから発売されているマスキングシートを用意したいところですね。
こだわりがなく、手始めに作りやすいキットに手を出して形にしてみたいというのであれば、1/72スケールのジェット戦闘機が良いと思います。組みやすさではタミヤ/イタレリのミグ29やミラージュなどは組みやすい良いキットですが、人によっては迷彩塗装にハードルに感じるかもしれません。
タミヤ/イタレリの JAS-39グリペン、ハセガワのF-20タイガーシャークは価格が安く、組み立てやすいだけでなく、塗装も難しくありません。小型の機体なので完成後の置き場も困ることはないと思います。両キットともにスジボリなのでスミ入れの練習にもなります。
最後に
今回は戦闘機のスケールモデルについて触れてみました。
キャラクターモデルよりハードルを感じる方もいると思いますが、近年のキットはキャラクターモデルの合わせ目を消して組んでいる方であれば、さほど違いを感じることはないと思います。
精密なディテールが施されたキットはキャラクターモデルとは異なる趣があり、両者の違いを感じるのも面白いと思います。