【アイテム紹介】塗装ブースとコンプレッサー

エアブラシを使用する際はハンドピースだけでなく、同時にコンプレッサーや塗装ブースなどの導入を検討する必要があります。この記事ではエアブラシの環境整備に必須となるこれら2つのアイテムについて紹介したいと思います。

塗装ブース

スプレーワーク ペインティングブースII(シングルファン)
参照: https://www.tamiya.com/japan/products/74538/index.html

野外での塗装作業は風や気温、砂ボコリなど、多くの外的要因が塗装に影響を及ぼす可能性があります。そこで、安定した塗装環境を実現する場合、塗装ブースの導入が不可欠となります。

エアブラシやスプレーを室内で使用する際は換気を行ないながら作業を進めることになります。塗装ブースを使うことで、換気だけでなく、ミスト(塗装中に出る塗料の霧)を排出する役割を同時に果たします。

ブースとは小部屋(Booth)を意味しており、直訳すると塗装部屋となりますが、ここでの塗装ブースとは塗装用の換気設備を指します。ほとんどのものはシロッコファンタイプの換気扇と排気用のダクトホースをつなげたシンプルなものです。中には塗装中にホコリが入らないように仕切りや庇(ひさし)が設けられているものもあります。

導入の際は塗装ブース自体の大きさや換気ファンの性能をはじめとした換気能力、フィルター交換などの手入れのしやすさなどを基準に検討しましょう。
換気扇とダクトホース、ダンボールを組み合わせて自作するというのも現実的な選択肢です。

コンプレッサー

Mr.リニアコンプレッサーL5
参照: http://www.mr-hobby.com/itemDetail.php?iId=1

コンプレッサーとは空気を圧縮して送り出す装置のことで、模型においてはエアブラシの動力源となります。

エアブラシは動力源としてガス缶を使用することもできますが、ランニングコストがかかるというデメリットがあります。コンプレッサーは1度買ってしまえば、壊れるまでは電気代のみのコストしかかからず、長い目で見ればお得になるため、是非オススメしたいアイテムです。

コンプレッサーを選ぶポイント

コンプレッサーにもいくつかの種類があります。メーカー、音の大きさ、連続駆動時間、エア圧などです。これらを選択基準として自分に適したコンプレッサーを見つけましょう。

メーカー

ハンドピースとコンプレッサーはエアホースを介して接続されています。このエアホースの接続金具の仕様はメーカーごとに異なります。別売りのホースジョイントで他社製品でも接続できるようになっていますが、使用できないケースもあるため、購入の前によく確認しましょう。ハンドピースとコンプレッサーを同じメーカーで揃えることでハンドピースが接続できないトラブルを回避することができます。

音の大きさ

エアブラシは室内で使用するケースがほとんどと思われます。この場合、コンプレッサーの駆動音や振動はできるだけ少ないものを選びたいです。かつて静音には特に配慮されていないコンプレッサーを使用していたことがありましたが、音が響くため塗装作業は気を使うことがしばしばありました。

音の判断基準は人それぞれのため、エアブラシ専用のコーナーを設けている模型店などでチェックするのも一つの手です。なお、振動についてはコンプレッサーの下にゴムマットなどを敷くことで多少抑えられます。

最近は静粛性が売りの商品も多く登場したため、選択肢が増えたように思います。静粛性やコンパクトなコンプレッサーはそれだけで魅力的なアイテムですが、その分トレードオフされているものがないか留意する必要があります。以下の項目も忘れずに確認しましょう。

連続駆動時間

小型のコンプレッサーなどはその設計上、コンプレッサーを連続して使い続けることができる時間が限られているものがあります。

ちょっとした部分塗装なら問題ありませんが、半日から丸一日かけて塗装作業をしっかり行ないたい場合、使用中に制限時間に達してしまいコンプレッサーの調子が悪くなったりしてしまうことがあります。

エア圧/空気吐出量

小型のコンプレッサーが駆動時間と共に苦手にしているのが、高いエア圧の確保です。エア圧はハンドピースの吹き付ける力につながり、エア圧が低いと広い面積を塗る際に力不足を感じることもあります。

上述の駆動時間と相関関係にあり、限界駆動時間に近づくに連れて、徐々に下がっていき、満足に吹き付けができなくなることもあります。

番外編:レギュレーター

Mr.エアーレギュレーターMkⅢ(圧力計付)
参照: http://www.mr-hobby.com/itemDetail.php?iId=14

レギュレーターとは圧力の調整弁のことで、この装置で送り出す空気圧を変更することができます。また、レギュレーターには水抜きのエアフィルターが兼備されていることが多く、圧力の調整以外の使い道があります。

コンプレッサーを使用すると空気を圧縮されたことで空気中の水分が集まり水滴が発生します(=水の凝縮)。コンプレッサーやホース内の水滴がハンドピースより吐き出されてしまい、塗装作業が行えなくなります。湿度の高い日本においては頻繁に起きる事象のため、レギュレーターがついているか、または後付けで取り付けられるかも重要な選択基準ですので忘れないようにしましょう。

最後に

コンプレッサーと塗装ブースを紹介いたしました。これらはいずれもコンセントより電源を供給するタイプが一般的であるため、エアブラシを使用する際は2つのコンセントを占有することになります。卓上ライトやモーターツールなど、ほかの電気用品との併用が増えてきた際にはマルチタイプの電源タップがあると何かと便利です。

エアブラシ関連では今回紹介した2つのほかにもハンドピースのスタンドやトレー、スパイラルホースなど、便利なアイテムが数多く発売されていますので、色々チェックして効率の良い環境構築を目指しましょう。