【キットレビュー】HGUC RX-78 GP01 試作1号機

今回レビューするのはHGUC ガンダム GP01になります。

RX-78 GP01 試作1号機について

ガンダム GP01 試作1号機はOVA、『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』に登場した試作型MSです。本作の主人公、コウ・ウラキの序盤の搭乗機として活躍しました。

一年戦争終結後、連邦軍再建計画の一環であるガンダム開発計画において開発された機体です。次期主力MSの開発にあたりテストベッドとして試作された実験用ガンダムタイプの一つで、汎用型MSの重力下仕様をコンセプトにAE(アナハイム・エレクトロニクス)社で開発されました。愛称はゼフィランサス、花言葉は「機体、純白の愛」。

劇中では初出撃時やキンバライト鉱山基地での交戦の際に高い跳躍を行っている描写があり、運動性能の高さが窺えます。登場時期の関係上、機動戦士ガンダム戦記やギレンの野望シリーズなどの一年戦争付近の世界を題材にしたゲームソフトなどで登場する際は性能の高い機体として優遇されていますが、Gジェネレーションシリーズ(無印~Fをプレイした感想)ではオーソドックスな武装しか持っていないため、攻撃力が不足していた印象があります。

キットについて

2000年に1200円で発売されたキットです。コアファイターⅡの変形機構やシールドの伸縮などをオミットした分、組み立てやすくプロポーションも良好なため、傑作とも評されました。2020年現在より改めて見てみると、可動範囲や色分けについては一昔前の印象が拭えません。

本体

プロポーションはMGのキットに近い印象。2013年にRGが発売されましたが、全体を直線的なラインでまとめている点や顔の造形、スッキリしたディテールなど、こちらの方が自分の持っているGP01のイメージに近くて好きです。

頭部のアンテナ類は素の状態だと安全処理が施されているためここはシャープにしてあげたいです。

胴体は首の基部のゴツさがやや目立つほか、成型色のままでは再現されていない箇所がところどころに見受けられ、時代を感じます。

最近のHGキットだと腰部のフロントアーマーは中央で切り離してやれば、左右への分割することができますが、このキットではストッパーが設けられていないため、自作する必要があります。

腕部はこの頃のHGUCに準拠したオーソドックスな印象です。肘は二重関節ではないため、90度近く曲げるのが精一杯です。左肩の”01”はモールドで再現されています。ハンドパーツは武器の握り手は右手1種類のみ。左手は穴は開いてますが、キンバライト鉱山基地で見せたようなビームライフルとマシンガンの2丁持ちは厳しいです。

ゴツゴツしていてカッコイイ脚部は肘と同様、二重関節ではありませんので稼働はそれなりです。MGやRGと異なり、膝部分は独立して稼働しません。

武器類

シールドは先述の通り、伸縮機構は再現できません。取り付けは腕部の側面または肘のいずれかに取り付けるのですが、取り付けてない方のダボが気になります。取り付け基部以外は白一色のためシールまたは塗装する必要があります。

ビームサーベルは柄と一体になった白色成型のものが1本付属。このキットのほかに旧1/144、MGのボックスアートでもビームサーベルが描かれているにも関わらず扱いが雑でちょっと可哀そう。劇中での使用頻度は高く、奪取された試作2号機と対峙した際はもっぱらコイツを使ってますので、他キットのクリアパーツに置き換えてあげても良いと思います。

他の武装はビームライフルと90mmマシンガンが付いてきます。ともに一般的な左右張り合わせのモナカ構造のため、合わせ目が目立ちます。

本機の主武装であるビームライフルはグリップが左右に振れますが、ガンダム本体の肩関節が引き出し機構を持たないため両手で保持することは難しいです。このビームライフルはEパックと呼ばれるカートリッジ方式を採用しています。マスターグレードではビームライフルのカートリッジが取り外し可能で、シールドの裏に予備のカートリッジ2つマウントできましたが、HGUCではこういったギミックはありません。スコープ状の部分は赤色は再現されていません。

90mmマシンガンはゲームによっては使用武器として登場しないため印象が薄いかもしれませんが、ちゃんと付属します。

コアファイターⅡ

本キットはコアブロックシステムの再現を完全オミットしていますが、代わりにコアファイターⅡが付属します。

劇中ではアルビオン着艦時にモンシアに破壊されかけ、予備機はオービルに盗まれた後に撃墜されるなど見せ場はありませんでした。見た目はカッコイイんですけどね。(そもそも「コアファイター」自体、初代やVガンダムで特攻に使われてますし、伝統的にあまり良い扱いを受けていない気がします。)

MGやRGではキャノピーはクリアパーツですが、こちらはグレーかつキャノピーの枠が太いため、大分印象が異なります。オマケとして付属するものなので、あまり気にする人はいないと思います。

総評

2013年にRGのGP01が発売されたため影が薄くなりましたが、RGは曲面を強調している印象があり完成後のプロポーションが異なります。価格も2倍程度の差があるため、HGUCのキットとは住み分けができている印象があります。

上述の通り、可動や色分けについては今のキットに比べると見劣りしますが、プロポーションは抜群です。

まったくのパチ組みだと少々物足りない出来になるため、ところどころ合わせ目消しや部分塗装が必要です。とは言え、手を加える箇所もそれほど多くもないため、程よく「作ってる感」が味わえる良いキットだと思います。RGと各部を比較してみるのも面白いと思います。