今回、ご紹介するキットはハセガワの1/24スケール トヨタ セリカ GT-FOUR RCです。過去の作例写真とともに実車とキットを紹介していきます。
トヨタ セリカ GT-FOUR RCとは
レース競技に参加することは自動車メーカーにとって知名度の向上の他に技術やノウハウを鍛えることができます。その知識や経験を市販車開発へフィードバックすることで、より良いクルマ作りに活かすことができるため、高度経済成長期以降、日本の自動車メーカーは積極的に参加してきました。
1973年に創設されたFIAのWRC(World Rally Championship,世界ラリー選手権)は一般道を市販車ベースのマシンで走るタイムアタック競技で、欧州や南米では絶大な人気を誇ります。
このWRCの参加条件である市販車をベースにするという規定をクリアするために生産されたモデルをホモロゲーションモデルと呼びます(昔はエボリューションモデルとも呼ばれていました)。セリカ GT-FOUR RCはWRC グループAに参戦すべく、トヨタから1991年の9月に販売されたホモロゲーションモデルで、1989年9月にモデルチェンジした5代目セリカ(T180型)の派生モデルです。
末尾のRCは”Rally Competition”を表しています。5000台が生産され、日本国内にはそのうちの1800台が流通し、輸出モデルは”カルロス・サインツ・リミテッドエディション”と名付けられました。”カルロス・サインツ”はこの車の先代、ST165型セリカでトヨタに初めてWRCタイトルをもたらしたラリードライバーの名前です。
このGT-FOUR RCをベースにしたST185はセリカ最強とも呼び声の高い3S-GTEエンジンにラリーに適した水冷式インタークーラーとターボを装備し、1992年のサインツを皮切りに1993年にはユハ・カンクネンが、1994年にはディディエ・オリオールがそれぞれWRCチャンピオンになりました。ほかにも自動車チーム直営チームが参加するWRC マニュファクチャラー選手権も1993年から1994年にかけて制覇し、ST185はWRC通算16勝とトヨタ史上、最も成功したモデルになりました。
キットについて
ハセガワより2400円(税抜き)で発売されている1/24スケールのキットで、数年おきに再販されているようです。この車の特徴である流線型のボディがキレイに表現されているボックスアートです。
同じセリカでもWRCに出場したカストロールカラーのラリーマシンの方が人気はあると思いますが、配色的にはこちらの方が自分好みです。
ボディは一体成型のため、リトラクタブルライトは開きません。内装のリアシートとカーペットは専用のシールで再現、フロント周辺のダクトに貼り付けるためのメッシュパーツやマスキングシートも付属します。
ボディの塗装指示については水性ホビーカラーの色番号でH1(ホワイト)、H2(ブラック)、H86(モンザレッド)、H18(黒鉄色95%)+H5(ブルー5%)の4つから選ぶよう記載があります。他のキットだと複数のカラーバリエーションのうち、1つしか色が明示されてないキットなんかがあるので個人的にはとても嬉しいポイントです。
製作にあたり、ボディの色はブラックで進めることにしました。塗料はMr.カラーGXのウィーノブラックで塗装しています。Mr.カラーGXとはMr.カラーに比べてあざやかな発色と高い隠ぺい力、より滑らかで強い塗膜を持つ、言わばMr.カラーの上位互換のようなシリーズです。通常のMr.カラーに比べて性能が良い分、若干割高なので調色や細部の塗装などでは使用しませんが、今回のように本体色が原色の際はこちらを使用しています。
リアスポイラーの中央部と天井付近にヒケが見られるため、気になる人は修正した方が良いでしょう。特に上の写真のようにリアスポイラーのヒケは完成後に目立ちます。
総評
カーモデルは全く経験がなく、これが3台目でした。
余談ですが、これの前は小学生の頃と大学生の頃にフジミから発売されている1/24スケールの三菱 FTOを1台ずつ作りました。三菱FTO、マツダRX-7、そしてこのGT-FOURとこれまで好きになった車はフロントが流線型になっている車ばかりです。
知識もなく、ボディの形状や車高なども気にならなかったので、とりあえず説明書通りに組み立てたのみですが、出来には満足しています。
内装用のシート以外は他のメーカーと同じような構成でした。パーツの合いも良好で、色の指定なども丁寧だったのでストレスなく作ることができました。
本体色の塗装後に仕上げとして何度も光沢クリアーを重ね吹きしましたが、ホコリが付着しないように気を使ったのを覚えています。今回の改めて撮影しましたが、ツヤのある黒なので、ホコリや指紋がとても目立ちます。位置を変える度にホコリがつくためダスターを吹きながらの撮影になりました。
まだまだ難しいですが、これからも少しずつカーモデルにも手を出して、水研ぎや光沢感のある仕上げ方について学んでいきたいですね。