【キットレビュー】HGUC 新生REVIVEガンダムMk-Ⅱ(エゥーゴ仕様)

今回、ご紹介するのはバンダイより2015年に発売されたUGUC 新生-REVIVE-シリーズの第4弾 ガンダムMk-Ⅱ(エゥーゴ仕様)です。キットの値段は1500円(税抜)です。

デザインアレンジの面に関して巷で賛否両論あるため、購入に二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は旧HGUCのキットと比較しつつ、紹介していきます。参考の一助になれば幸いです。

ガンダムMk-Ⅱとは

ガンダムMk-Ⅱとは『機動戦士Zガンダム』に登場した高性能試作モビルスーツです。

地球出身者を中心に選抜されたエリート部隊であるティターンズが開発した地球至上主義を掲げるティターンズで運用されるため、旧ジオン公国系技術者を除外し、地球連邦系の技術者のみで開発がすすめられた機体です。

新素材の研究が進んでいなかったため、フレームや装甲には従来のチタン合金セラミック複合材が使用されており機体強度に不安のあるものの、装甲と機体構造を分離させて運動性を向上させることができるムーバブルフレームやコクピットの内壁がモニターとなった全天周囲モニター・リニアシートなど後のモビルスーツの基本となる設計を確立しています。

当初、機体色はティターンズのイメージカラーである濃紺のカラーリングでしたが、半地球連邦組織エゥーゴの手に渡った3号機はかつてのRX-78-2ガンダムを彷彿とさせる白を基調としたカラーリングへ変更されました。

キットについて

新生-REVIVE-シリーズとはガンプラ誕生35周年に立ち上がったプロジェクトで、従来のキットより可動域を広げつつ、作りやすさを追求するというコンセプトでHGUCブランドの中で展開されたシリーズです。上記コンセプトに加え、デザインのアレンジがなされており、賛否両論あるようです。

このキットが発売される前にガンダムMk-ⅡはHGUCシリーズで投入されていたキットです。ティターンズカラーがNo.30のナンバリングで2002年5月に発売されてから、同年12月にエゥーゴカラーの成型色でGディフェンサーを追加したスーパーガンダムが、2005年5月にはエゥーゴカラーの成型色でフライングアーマーを追加したキットが発売されました。

人気の機体ではあるものの、発売時期が古いことからリニューアルが必要と判断した結果でしょうか。この旧HGUC版は確かにパーツの合わせ目が目立つことや可動域については時期相応の物といった感じではありますが、プロポーションは良好で、安価でパーツ数が少ないため組みやすいキットでした。旧HGUC版と新生-REVIVE-版を比較してみましょう。

旧HGUC版は基本色塗装の半光沢仕上げ、REVIVE版はグラデーション塗装のつや消し仕上げとなっています。それぞれメインカメラやセンサー部にハイキューパーツのミラージュデカールを使用しているほか、HGUC版にはガンダムデカールを使用しています。

正面(左:旧HGUC版、右:REVIVE版)

REVIVE版は頭部がやや小さく、胴体も絞られている印象。腰高になっている一方で太ももとスネは太くなっているため、下半身のボリュームは増えています。一方、足首より下のいわゆる”スリッパ”と呼ばれる部分は小さくなっています。腕部脚部ともにモールドが追加されていて面あたりの情報量は増えている印象です。

Mk-Ⅱの特徴の一つにつり上がったツインアイが挙げられますが、旧HGUC版は頭部のひさしが傾斜しており、より悪役感のある顔立ちになっています。また、肩や胸の横方向への張り出しは旧HGUC版の方が強い印象があります。

側面(左:旧HGUC版、右:REVIVE版)

肩のスラスター(黄色部)はREVIVE版が正方形に近く、旧HGUC版は前後に長い長方形となっています。手の大きさも大分違いますね。

脚部(左:旧HGUC版、右:REVIVE版)

REVIVE版の下半身は先述の通り、全体的にボリュームが増していますが、とりわけ前後方向へ張り出しが強くなった感じです。

シールドはREVIVE版の方が突起部が延長されています。腕への接続方式が改められ、腕部側面と肘で別のパーツを使用するようになっています。これにより肘側へ接続させたときの違和感が解消されています。この写真からはわかりませんが、旧HGUC版は赤い開口部がふさがっています。

背面(左:旧HGUC版、右:REVIVE版)

背面、REVIVE版の方がバックパックのボリュームがわずかに増しています。

バルカンポッド(取り付ける気がなかったため、部分塗装していません)は頭部の大きさに合わせているため、REVIVE版はやや小ぶりです。アンテナは旧HGUCの方が小さめです。

ハイパー・バズーカはREVIVE版が僅かに長いほか、グリップの可動範囲も広がっています。

腰部のマウントラッチはどちらも開いてハイパー・バズーカをマウントさせることができます。

フル装備時。ビームライフルはどちらもほぼ同じ大きさでした。

ビームサーベルは旧HGUC版が手首と一体の白成型なのに対し、REVIVE版はバックパックのサーベルを持たせてクリアパーツを差し込むものになっています。

REVIVE版は可動範囲が広がっているため、ビームライフルの両手持ちなども自然にできます。

脚部の可動範囲も格段に広がっています。旧HGUCではつま先がが動くのに対し、スネの下側にスイング軸が追加されているのも特徴的です。

総評

旧HGUC版はシリーズ初期の頃のキットのため、ポージングに制約があり、可動範囲はREVIVE版に軍配が上がります。ただ気になるのは下半身の関節の保持力。個体差かもしれませんが、下半身の可動が柔軟な反面、保持力がやや弱い気がします。グニャグニャしがちで安定性に欠けるため、今回の撮影も少し苦労しました。ガシガシ動かしたいという人は気を付けたほうがいいかもしれません。

デザインのアレンジについてですが、このガンダムMk-Ⅱは初代ガンダムのアレンジに比べるとマイルドな印象です。頭部のひさしの下がり具合、肩や胸の横方向への張り出しとスリッパの大きさから原作の画稿に近いのは旧HGUC版かと思いますが、REVIVE版もモールドやエッジがシャープで出来は良いと思います。欲を言えば、平手のパーツが欲しかったです。

今回の比較記事を見て特段違和感がなければ、購入してみても良いのではないでしょうか。実際に手に取ったり比較したりすることで見つかるキットやデザインの良さも見つかるかもしれません。