【キットレビュー】スバル インプレッサ WRC’99

今回ご紹介するのはタミヤの1/24スケール、スポーツカーシリーズのスバル インプレッサ WRC ’99です。

インプレッサ WRCとはスバルがWRC(世界ラリー選手権)に投入したWR(ワールドラリー)カーで、このキットは1999年モデルを再現したものです。

インプレッサ WRCについて

WRCとは1997年に誕生した世界ラリー選手権の規定の一つです。

これまで、世界ラリー選手権は市販車をベース車両として改造することがルールとなっていました。

この市販車の定義は定められた期間に一定の生産台数を超えていることが挙げられます。例えば、1987年のグループAでは、12か月間に5000台以上生産している車両でないと参加することができませんでした。

この制限下で躍進したのが日本の自動車メーカーです。高性能な4WD車を量産できる市場を持っていたことから、1990年代中盤まで世界ラリー選手権は日本の自動車メーカーがタイトルを占有するなど、存在感が非常に大きい時期となりました。

一方、生産台数が規定に満たないメーカーや高性能4WD車を製品ラインナップに加えていないメーカーにとっては大きな参入障壁となっていました。

そこで1997年にFIA(国際自動車連盟)は参入の門戸を広げるべく、新しい規定が採用されることになります。これがWRカーです。WRカーでは生産台数や生産期間の制限はあるものの、2WDを4WD化への改造や、ワイドボディ化、エンジンの換装やターボのなど、改造範囲を大幅に認めることで多くのメーカーが参入できるようになりました。

スバルは1995年から1997年の間にグループAカテゴリーでマニュファクチャラーズ・タイトルを3連覇するなど、黄金期を迎えたスバルはWRC規定に適合したこのインプレッサWRCをどのメーカーよりもいち早く投入しました。大幅な改造が認めるWRCの規定が有利に働くと判断したことと、レースによる技術的フィードバックを重要視していたためです。

インプレッサ WRCは2ドアセダンのリトナをベース車両とし、アルミ製の水平対向4気筒ターボエンジンを縦置きにした構造により優れた重量バランスを実現しました。

インプレッサ WRCは毎年繰り返されるマイナーチェンジで改良を重ねていき、WRC’99ではフライ・バイ・ワイヤ方式の電子制御のスロットルを採用しました。入力が電気信号に置き換わることでスロットルのレスポンスが向上、大型のターボが使用できるようになり、パワーアップにもつながりました。

キットについて

このキットはタミヤより1999年11月に発売されました。価格は税抜きで2,500円です。

デカールは5号車と6号車のいずれかを再現する仕様です。メッシュやウィンドウのマスキングシート、ライトポッドも付属しており、ユーザーフレンドリーな印象があります。

ランナーはタイヤとクリアパーツを除きすべてブルーの成型色です。

まずは車体下部の組み立てです。フロントロアアーム、リアアップライトを取り付けていきます。

次に内装の取り付けです。競技車両特有のロールバーや消火器を搭載している独特なインテリアは中々見ることがないので興味深いです。シートベルトは付属のデカールで再現します。

タイヤにデカールを貼ります。うまく定着するか不安でしたが、とりあえず貼れているようです。

カーモデルの命ともいえるボディの塗装は緊張しました。今回は缶スプレーで塗装後、クリアーを吹き付けています。そこそこの「ヌメッと感」が出せました。

デカールをボディ各所に貼り付けていきます。

デカールを貼り終えた後、再度クリアーを吹き付けます。乾燥後に水研ぎを軽く行いましたが、経験があまりなかったので、全く段差を感じさせないほどとは行きませんでした。とは言え、デカールと本体表面のギャップが目立たなくなったのでこれで良しとします。

総評

これまで水研ぎが苦手なのでラリーカーなどデカールの多い車やバイクはあまり作ってきませんでしたが、思いのほかうまくまとまってくれたので一安心です。

思った以上に組み立ての工数が少なく、組み立てやすかった点はさすがのタミヤ製品です。自分のようにラリーカー初挑戦という人にもオススメできるキットだと思います。