今回紹介するキットはバンダイのプレミアムバンダイより発売されているHGUC セカンドVです。
セカンドVとは
セカンドVはテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』の小説版に登場する機体です。テレビアニメ版ではVガンダムの後継機としてV2ガンダムが搭乗するのに対し、小説版では本機が搭乗します。
もともとV2ガンダムはテレビアニメの企画当初は設定されておらず、プラモデルの販売促進用としてテコ入れされた側面のある機体でした(アサルトパーツやバスターパーツなどの追加兵装がオプションで用意されているため商品展開がしやすい設定がされていますが、それらの装備は劇中で一瞬で破壊されています)。
こうした背景を嫌ってか小説版ではV2ガンダムは存在せず、本機が登場します。
Vガンダムの背部にウェポン・フラットフォームを背負い、ミノフスキー・ドライブ・ユニット、メガビーム・キャノン、ミノフスキーシールドを懸架しています。手持ちのビームライフルもV2ガンダムのものです。
乱暴にまとめるとV2のキモとなる装備や追加兵装をVガンダムに追加したようなデザインです。
キットについて
HGUCのVガンダムをベースにV2ガンダムのランナーと新規パーツを追加した構成となっています。HGUCのVガンダムは2013年11月発売の商品で、HGUCのラインナップに主役級のガンダムを矢継ぎ早に投入するというバンダイの企画「オールガンダムプロジェクト」の産物です。これまで関節部にあたる部品の素材にABS樹脂を使用してきましたが、新素材のKPSに置き換わっているのがポイントです。
胴体上部のダクトや膝と肩などVガンダムとは色の設定が異なる箇所もそこそこ再現されています。
塗料はMG Vガンダム用のガンダムカラーが余っていたのでこれを使いました。
ベースとなるHGUC Vガンダムの関節がグレー成型である点はこのキットでも同じため、設定通りのカラーリングにするには塗装が必要です。塗装せずに組むと上腕部の関節が、挟みこむパーツそれぞれで白とグレーに分かれてるので、やや目立ちます。手の甲の部分もオリジナルデザインでは白だったような気がします。
今回はVertexのコーションデカールを使い、ver.ka風に仕上げてみました。
肘や腰、ふくらはぎのハードポイント基部は赤丸のラインがあります。付属のシールで再現可能ですが、目立つ箇所なので、出来れば塗装したいところです。私は赤のエナメル塗料で筆塗りと流し込みでどうにかでっち上げました。ラインの太さや塗装部位が絶妙なのでガンダムマーカーでの塗装は難しそうです。
ミノフスキー・シールドと肘は合わせ目がやや目立つため処理しているほか、ビームライフルのグレネード・ランチャーのアドオンパーツに肉抜き穴があるため、パテで埋めています。
HGUCのVガンダム同様、2種類のビームサーベル、ビームシールドが付属します。
右手はビームライフルを持たせ、メガビーム・キャノンとミノフスキー・シールドを背中に懸架した場合は左手が空きますが、握り込んだゲンコツや平手などの表情のあるパーツがありません。ここはセカンドVのみならずVガンダムのキットの時点で左手のバリエーションが欲しかったですね。気になる場合は次元ビルドナックルズ「角」やビルドハンズ「角」のSサイズの拳を使いましょう。
メガビーム・キャノンは砲口が開いているものの奥行きがあまりありません。砲口側のピンを切除し、プラ板とバーニアで内部を再現してみました。
メガビーム・キャノンをウェポン・プラットフォームへ懸架した状態。上下方向へスイングさせて角度を変更することができます。
メガビーム・キャノンは持たせることができますが、ハンドパーツへの挟み込みがやや面倒です。またウェポン・プラットフォームのジョイント基部が肘と干渉しそうで少し気になります。
アクセントに砲身の横に赤いラインをデカールで入れてみました。
ミノフスキー・シールドはパーツの差し替えで展開状態と懸架状態を再現します。
展開状態は肘のビームシールド発生装置の基部にジョイントパーツを取り付けて再現させます。
ミノフスキー・シールドの大きさはそこそこあり、存在感があります。
背部のミノフスキー・ドライブ・ユニットは可動し展開状態を再現できます。
総評
素体となるVガンダムは組みやすく、パーツ点数がそれほど多くないため、完成まで思ったより時間はかかりませんでした。小型MSながら存在感はなかなかあります。
大きな背負い物がある関係上、仕方のないことですが兵装を全て懸架するとバランスが非常に悪いです。
やや前向きの姿勢でないと自立も厳しい状態でスタンドがないと飾るのが難しいので、購入時はスタンドも合わせて用意するといいと思います。
プレミアムバンダイでの発売のため入手できる機会は限られていますが、各種兵装のギミックが再現されていてプレイバリューがとても高いキットだと思います。