【キットレビュー】ハセガワ 1/48 フォッケウルフ Fw190 A-3

今回はハセガワより発売されている1/48スケール フォッケウルフ Fw190 A-3を紹介します。

フォッケウルフ Fw190とは

フォッケウルフ Fw190とはドイツのフォッケウルフ社が開発した戦闘機です。愛称の”Würger(ヴュルガー)”は百舌鳥を意味しています。

第二次世界大戦時にドイツ空軍はメッサーシュミットBf109を主力戦闘機として運用していました。Bf109は高性能ではあるものの、操縦席が狭く新任のパイロットには扱いにくいことと、主脚の構造が脆弱で着陸事故を起こしやすいという欠点に加え、生産性の問題から搭載しているDB601エンジンの供給数量が限られていました。そこで、Bf109の補助戦闘機として開発された機体がこのFw190です。

フォッケウルフ社のクルト・タンク技師を設計責任者とし、12名のメンバーで開発がすすめられました。その設計コンセプトは”Dienstpferd(騎兵の馬)”、速さだけが取り柄の貧弱なサラブレッドではなく、過酷な戦場での使用に耐える騎兵の馬を目指すというものでした。

主脚の間隔を3.5mとし、設計強度にも余裕を持たせることで、着地時にある程度ラフな操作をしても壊れない頑丈な機体になりました。

整備性が高いことも本機の特徴のひとつです。点検用ハッチは大型で、一部のパネルは強度を持たせて足場を組むことができます。各部がユニットごとで構成されていたため、部品交換するだけで修理ができる構造になっていました。また、すべての配線のコネクタは形状が異なっているため誤配線することなく整備を進めることができました。

Fw190は欧州機としては珍しく空冷エンジンを装備しています。当時、戦闘機に使用するエンジンは前面投影面積が小さく空気抵抗を減らすことができるため、液冷エンジンが有利とされていましたが、前述の通り供給能力の観点から空冷エンジンを採用しました。馬力と頑丈さの面で秀でていたことと、クルト・タンク技師の優れた設計手腕により試作段階でBf109Eを凌駕する速度性能を実現しました。

また、パイロットが短期間で習熟しやすいようコクピットの計器類も人間工学的な配慮がされており、補助翼の操作にはワイヤーではなく伸び縮みのないロッドを使用使用することで直感的な操作感覚になっています。

このように頑丈な機体と高い運動性能、整備性を持つFw190は戦闘爆撃仕様や偵察仕様など様々な改修キットが作られ、大戦末期まで運用されることになりました。第二次世界大戦後、連合国側からドイツ最良の戦闘機との評価を受けたことからも本機の優秀さが窺えます。

A-3型は前身となるA-2型に採用された空冷エンジン、BMW 801 C-2型を改良したBMW 801D-2型を搭載した機体になります。A-2型より140馬力向上し、1700馬力となりました。また胴体に爆弾を懸架できる機構を加え、戦闘爆撃機として運用することができるようになったのもこのA-3型からです。

キットについて

ハセガワの1/48スケールのフォッケウルフFw190 A-3です。品番はJT90、2600円(税抜)で発売されたプラモデルです。

タミヤのキットはあちこちで評判が良いとの情報が出回ってますが、ハセガワのキットは定番品での扱いではないため情報が少なめです。

購入当初、第二次大戦中のドイツ機はほとんど知りませんでしたが、なんとなく作ってみよう思い物色していたところ、ゼロ戦で見慣れているからか、空冷エンジンを搭載しているFw190の方がメッサーシュミットより好きな形をしていたことと、機体に描かれた鳥のマークが気に入ったことで購入に至りました。

計器類はとてもシンプルにまとめられている印象があります。

馬力のある空冷エンジンを搭載しているため、上から見ると頭でっかちな印象があります。

レシプロ機の下面は不整地での飛行や現代に比べて荒れた環境での使用が多いと想定し、汚れは気持ち強めに入れています。今回はウォッシングと銀のドライブラシを入れました。機体の十字マークはデカールもありますが、塗装で再現しています。

ところどころにあしらわれている黄色が目を引きますね。

総評

ハセガワ製品だけあってスムーズに組み立てることができました。

初めてドイツ機に手を出す場合は塗料の確認と迷彩の練習をしてから取り掛かると失敗が少ないかもしれません。

馴染みのない機体色、迷彩塗装、コーションマークはドイツ語と色々新鮮でした。機会があればタミヤのFw190も作って比較してみたいと思います。