【キットレビュー】ハセガワ 1/24 スカイライン GT-R NISMO (BNR32)

今回紹介するキットはハセガワのスカイライン GT-R BNR32です。

スカイライン GT-Rとは

スカイライン GT-Rとは日産の高級セダン、スカイラインシリーズの最高級グレードです。

1957年、プリンス自動車(当時の社名は富士精密工業)が初代スカイラインを誕生させて以降、モデルチェンジを繰り返し、販売が続けられてきました。

日産と合併以降もスカイラインの名称はフラッグシップ車に使用されることになります。1969年に3代目スカイライン(C10型)にて、レースユースのトップモデル、GT-Rグレードが誕生しました。4代目にあたるC110型にもGT-Rグレードが追加されますが、これ以降GT-Rグレードは途絶えました。

日産スカイライン2000GT-R(初代):パブリックドメイン

16年後の1989年、8代目となるスカイライン R32型の登場の際にGT-Rグレードのモデルが復活しました。2世代目のGT-Rとなったこのモデルは日産自動車の技術の粋を結集して作られたモデルです。

当時日産自動車は90年代までに技術の世界一を目指す取り組み、通称901運動を行っており、車のデザインや性能の品質向上に積極的に取り組んでおり、新機軸のサスペンション開発やエンジンの耐久性・性能向上に力を注いでいました。

このBNR32も例外ではなく、専用設計の2.6リッターエンジン、RB26は馬力規制上限いっぱいの280馬力を生み出し、この強力なトルクを適切に路面に伝える電子制御四輪駆動システムのATTESA E-TSを搭載。サスペンションも4輪マルチリンク方式を採用したことで高い運動性能を実現しました。

ツーリングカーレースで他メーカーを圧倒し衝撃的なデビューを飾ったことから”Godzilla”の愛称で呼ばれることもあります。

キットについて

このキットはハセガワより2020年12月に発売されました。本体価格は税抜きで3,200円です。

スカイラインのR32型は好きな車種であり、かねてから作ろうと思っていたため、発売のアナウンスを知ったときはとても嬉しく、すぐに予約しました。

カーモデルはそこまで多く作ってきていませんが、しっかりしたボリューム感があります。パーツの分割が細かい分、パーツ点数が「気持ち多いかな?」という印象。エンジン内部は再現されていません。

個人的には窓用のマスキングシートが同梱されているのは嬉しいポイントです。

ボディの塗装色は黒や単純なガンメタではなく、ガングレーメタリックと呼ばれるもの。メタルブラックにコバルトブルーやシルバーを加えるよう指示があります。

完全新規金型ですが、使用しないパーツがいくつか含まれているのでバリエーション展開が考えられます。組み立ての際、ピンバイスでの開口やリアウィンドウの一部削り取りが指示されており、ちょっと手間を感じる瞬間がありました。特に後者はクリアパーツのため、カーモデルやクリアパーツの研磨作業に慣れていないと、難しく感じるのではないでしょうか。

クリアパーツの削り取りは、不要部分を削り取った後、紙やすりや研磨用のメッシュなどで#800、#1500、#2000、#3000と番手を上げていき、コンパウンドで磨いてやると傷を無くすことができます。目が細かくなるにつれて、大きな傷を均すことができなくなるため、一つ一つの番手でしっかりと磨くことが大事です。

外装に取り付けるメッキパーツはやや厚みがあるような気がします。気になる場合は裏面をヤスリで少しずつ削り、薄くしても良いでしょう。

総評

素直な感想は「思ったよりも疲れた」でした。

ボディのフロントとサイドへのエンブレムの取り付けもガイドが無いため、神経を使いました。各ウィンドウパーツが独立しており、接着がシビアなのと、強度面に不安がありました。

完成までにいくつかパーツの加工が必要なので、慣れている人向けのキットな印象があります。

しかし、さすがGT-R。とにかくカッコいいです。力強くスマートなスタイルが上手く再現されており、完成までの苦労が報われる気がします。