【キットレビュー】Academy F/A-18C HORNET

今回はアカデミーの1/72スケールキット、F/A-18Cホーネットを紹介したいと思います。このキットはアカデミーのキットをベースに個人製作のレジンパーツとイタレリのデカールを使用しています。

個人的には主翼前縁と胴体をつなぐストレーキの形状はスーパーホーネットより、レガシーホーネットのほうがスマートに見えるため好きです。

F/A-18 ホーネットについて

F/A-18 ホーネットはアメリカのマクドネル・ダグラス社が開発した戦闘攻撃機です。

ホーネットとはスズメバチを意味しています。発展型のスーパーホーネットが登場したことで、機体を区別するために本機をレガシーホーネットと呼ぶこともあります。

もともとはアメリカ空軍のLWF(軽量戦闘機)計画にてアメリカ空軍はF-4 ファントムⅡをF-15 イーグルへ更新しましたが、F-15は高性能である分、価格が高騰したことですべてのF-4を置き換えることができませんでした。

そのため、アメリカ空軍は配備の不足を補うべく、F-15の任務を補佐する安価な戦闘機の研究(LWF計画)をはじめました。この過程で航空機メーカーより提案されたものが、ジェネラル・ダイナミクス社のYF-16とノースロップ社のYF-17です。

結果はジェネラル・ダイナミクス社のYF-16が採用され、F-16として実用化されました。F-16は世界各国へ輸出される大ベストセラー戦闘機として知られていますが、一方採用されなかったノースロップ社のYF-17も数奇な運命をたどることになります。

このアメリカ空軍のLWF計画と同時期にアメリカ海軍もまた高価なF-14で置き換えることができなかったF-4 ファントムⅡの後継を求めていました。これに加え、A-7 コルセアⅡの後継機を用意する必要があったころから、アメリカ海軍はF-4の制空戦闘任務と、A-7の対地攻撃任務の両方を受け持つ艦上戦闘機を求めていました。

海軍はVFAX計画として後継機の新規開発を行う予定でしたが、アメリカ議会の要求により、ACF計画(上述のLWF計画の機体を実用化させる計画)の候補機から採用が行われることになり、LWF計画の採用競争に敗れたYF-17をベースに開発することが決まりました。

アメリカ空軍と採用結果が異なった大きな理由はエンジンと機体サイズにありました。海上でエンジンに不具合が起きた場合を考慮し、双発が望ましいという声があったことと、機体サイズがF-16より大きく、双発エンジンのほかに電子機器を積む余裕があり、戦闘/攻撃能力を付与する汎用機としての素性を持っていると判断されたためです。

もともとYF-17は研究用の陸上機であり、開発元のノースロップ社は艦上戦闘機開発のノウハウがなかったため、アメリカ海軍は艦載機への改造をマクドネル・ダグラス社へ依頼しました。アレスティング・フックの装備や着艦に耐えるよう主脚や胴体部の構造強化のほかに、電子機器とエンジンの強化や翼面積の大型化による搭載能力強化など大幅な設計変更が行われました。

初期型となるF/A-18Aが1979年に生産され、1980年に配備が始まりました。1986年になると単座機のA型はC型へ、複座機のB型はD型へそれぞれアップグレードが図られ、エンジンの強化や夜間攻撃能力の付与など全体的に能力の底上げが行われ、本格的なマルチロールファイター(多用途作戦機)としてその優秀性を発揮しました。

キットについて

F/A-18Cのプラモデルは各社より発売されていますが、アカデミーから発売されたものが1/72スケールの決定版と言っても過言ではない出来です。アカデミーは付属のデカールを変えたいくつかのバリエーションモデルを発売されており、中にはかつて厚木基地に展開していたVFA-192″ゴールデン・ドラゴン”が再現できるものもあります。

ハセガワのキットも凹モールドで組み立てやすく悪いキットではありませんが、アカデミーのものは後発なだけあり、各所のディテールがしっかりとしておりモールドのスジボリがきれいに施されているのと、デカールが多いため情報量に差が出ます。

パーツの合いも問題なく、組み立てはスムーズに進みました。クリアパーツの透明感も高く、とても良いキットです。気になる点としては個体差かもしれませんが、デカールが少し脆そうな印象を受けました。

ローンスター様のレジンパーツ(品名:レガホの主翼)を組みたいと思い、このレジンパーツに対応していたアカデミー製のものを購入しました。このレジンパーツはフラップダウン状態を再現できるものですが、最近は発売されてないようです。

デカールはタミヤ/イタレリのキットに付属しているデカールも併用し、スイス軍仕様を再現したつもりでした。しかし、国籍マークのサイズが実機と大分違うことに位置合わせを行っている最中に気が付くという悲劇がありました。そういうところだぞイタレリ。

総評

キット自体は組み立てやすくクオリティが高いため、とても楽しく製作することができました。

ホーネットシリーズはフラップが大きいため、フラップダウンが映えますね。

1/48スケールではこの特徴的なフラップダウンを再現できるキットは多くありますが、1/72スケールとなるとたいていの場合、自作するか社外品を用意する必要があり難しいのが現状です。

今回はローンスター様の素晴らしいアイテムにより簡単に再現させることができました。時短や完成度の向上のためにも社外品のパーツを積極的に使っていきたいと思います。