【キットレビュー】ニッサン ブルーバード 1600 SSS

今回紹介するのはハセガワの1/24スケールキット、ニッサン ブルーバード1600 SSSです。

ブルーバードは日産自動車がかつて発売したセダンシリーズのひとつです。

日本を代表するミドルセダンとして「ブル」の呼び名で親しまれ、モデルチェンジを繰り返しながら2001年まで製造・販売がされました。

今回製作したブルーバード510型は3代目のモデルであり、歴代のブルーバードシリーズの中でも大きな成功を収めたモデルとして知られています。

ブルーバードについて

初代ブルーバードは日産がダットサンブランドで発売する本格的な量産型乗用車として開発されました。乗り心地や操縦性を重視したセダンで1.0リッターのSTD、1.2リッターのDXの2種のグレード構成で展開されました。

1966年になるとダットサン・サニーが同ブランドから発売されます。ダットサン・サニーは排気量1.0リッターの大衆向けのエントリーモデルであったため、ブルーバードは排気量を1.3リッター以上に引き上げられた中級グレードモデルとして販売チャネルの差別化が図られました。1972年の生産終了までに510型系列は1.3,1.4,1.6,1.8リッターの4種類の排気量別モデルが展開されました。

2代目で評判がいまひとつであった尻下がりのデザインを刷新、ジェット機をイメージした「スーパーソニックライン」と呼ばれる直線的なスタイルに改められました。

なお、2代目の1.2リッターモデルのグレード名に採用されたSSS(スーパー・スポーツ・セダン)は1.6リッターの上級グレードに採用されています。

この上級グレードである1600SSSは1970年3月に開催された第18回サファリラリーにてチーム優勝と総合優勝を獲得し、優れた性能のアピールに成功したことでセールスにも大きく貢献。当時、ライバル車種であるトヨペットのコロナと「BC戦争」と呼ばれるシェア争いを繰り広げたほか、北米市場でも好調な売り上げを記録しました。

ブルーバードはモデルチェンジを繰り返し10代目モデル(1996-2001)まで製造・販売されました。その後、ブルーバードシルフィへ受け継がれることになりますが、2012年に発売された3代目モデルで名称がシルフィへ変更。ブルーバードの名前は消滅することになりました。

キットについて

このキットはハセガワより2,200円で発売されています。キット自体は古いものの、定期的に再販がかけられています。

ボディはパッケージアートに合わせ赤の成型色でできています。今回はボディカラーの希望があったため、Mr.カラーのグリーン[6]で塗装しました。

ボディの裏側やシートなどの目立たない部分の表面は荒れており、金型の疲労感や時代を感じさせますが、ボディにはそれほど大きなヒケは見られませんでした。

色分けも少なく、組み立て自体はスムーズに進めることができますが、メッキパーツがそこそこ含まれており、取り扱いに少々気を遣いました。

メッキの上に塗料を塗る指示があるため、塗料がはじかないよう表面を削ったり、メタルプライマーで下地を整える必要があります。また接着の際もメッキを剥がしてやらないと接着剤をはじいてしまいます。

メッキパーツの切り離した後は目立つため、Mr.カラーのガンクローム[104]でタッチアップしました。ヘッドライト部のクリアパーツの接着は曇らないようメッキの削る部分は最小限に抑え、接着はエポキシ接着剤を使用しています。

総評

ランナーの状態から年季を感じましたが、パーツの合いは悪くない印象でした。

メッキパーツは切り取ったゲート跡が極力目立たないような位置にくるようになっていますが、どうしても目立つ個所はクロームシルバーやガンクロームなど明るめの銀でタッチアップすると目立ちにくいです。

状態の良い実車はなかなか手に入れることは難しいですが、模型なら憧れの車やバイクを所有することができるというのはカーモデルの大きな魅力の一つですね。